【1月26日 AFP】ミャンマー政府は25日、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)への弾圧に関する諮問機関のメンバーを務める前米ニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン(Bill Richardson)氏を解任したと明らかにした。同氏によるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問への「個人攻撃」を非難している。

 ロヒンギャ弾圧を示す証拠が相次で明らかになる中、ロヒンギャの側に立った発言をしていないスー・チー氏は人権を守るスター政治家としての評価が急激に下がっていた。

 ミャンマー政府は、22日に首都ネピドーで諮問会議が行われたが、ロヒンギャ問題で助言することにリチャードソン氏が関心を持っていないことが「明らかになった」としている。隣国バングラデシュには69万人近くのロヒンギャが逃れており、リチャードソン氏は国際諮問機関のメンバー5人のうちの一人だった。

 フェイスブック(Facebook)に投稿された英語の声明で政府は「異なる意見が表面化してきたことを考慮し、彼が今後も諮問機関のメンバーを務めることは、全ての関係者にとって最善ではないと判断した」と述べている。ビルマ語の声明では「解任」という言葉を使っている。

 一方、リチャードソン氏の広報担当者は、ミャンマー政府の主張は「事実ではない」と批判している。

 リチャードソン氏はミャンマー政府が設置した諮問機関がロヒンギャ危機の原因を「ごまかしてしまう」ことを危惧しているとして、そのような機関に居続けることは良心に反すると表明する声明を出していた。

 またリチャードソン氏はスー・チー氏には「道徳的なリーダーシップが欠如」していると激しく非難。ロイター通信(Reuters)の記者2人の釈放を求めたリチャードソン氏に対し「怒り狂った反応」をしたと指摘した。(c)AFP/Richard SARGENT