【1月19日 AFP】台湾当局は19日、中国が台湾海峡上空に新たに設定した空路を使用する中国の航空便約200便を運航禁止にする措置を取った。

 台湾政府は中国が1月初頭に設定した新たな4航路を廃止するよう中国側に繰り返し求めていたが、中国当局は要求を聞き入れなかった。

 台湾政府は新空路の設定に関して事前協議がなかったことや、台湾に近い針路は飛行の安全性を無視しており政治的な意図も見えるとして非難していた。

 中国東方航空(China Eastern Airlines)と廈門航空(アモイ航空、Xiamen Air)は、2月中旬に迎える中国の春節(旧正月、Lunar New Year)に向けて、中国-台湾間で計176便の追加運航を申請したが、両航空とも問題の空路を利用しているとして、台湾の民用航空局(CAA)に申請を却下された。ただし旧正月の追加運航には新空路は含まれていなかった。

 新空路の問題をめぐり、台湾が中国の航空会社に対して何らかの措置を実行するのは初めて。

 CAA関係者はAFPの取材に対し「追加便は両者(中国と台湾当局)が設置に合意していない航空路M503および関連した空路を取ることから、両航空の運航の申請は認められない」と述べた。

 M503は2015年に設定されたが、中国側が本土に針路を近づけて設定したことや使用を南北を往来する航路のみに限定する動きがあり、台湾では反発が起きている。(c)AFP