【1月12日 AFP】ダカールラリー(Dakar Rally 2018)、第6ステージのゴール地点となったボリビアのラパスで11日、抗議者と警察による衝突事件が発生した。約100人に上ったデモ隊に対し、当局は催涙ガスや唐辛子スプレーを使用して、競技者の使用していた道路にまで拡大したトラブルの鎮圧に乗り出していた。

 デモ隊は「われわれが望んでいるのは病院だ。ダカールではない」と合唱し、2006年にボリビアの大統領に就任して2025年まで政権の座を維持しようとしているエボ・モラレス(Evo Morales)大統領に不満を訴えた。

 この騒動では、ダカールの競技者をゴールまで先導する公式車両に向かって、空き瓶や椅子などが投げつけられたほか、二輪部門でトップを走っていたライダーが、国の刑法に対して怒りを爆発させていたデモ隊から、やじを飛ばされる場面もあった。

 モラレス大統領はこうしたトラブルにもかかわらず、ペルーを出発してボリビアを経由し、アルゼンチンまで2週間の行程で行われる今回のダカールを歓迎しており、自身のツイッター(Twitter)に、「世界を結束させ、スポーツ界を盛り上げ、観光客を魅了するこのイベントに参加できることを誇りに思う」と投稿した。

 この日のレースでは、武装した警察官らの厳しい監視の下で起きた暴動をものともせず、多くのボリビア市民が大統領に同調してライダーやドライバーに声援を送っていた。(c)AFP