【12月29日 AFP】クロアチアで、隣国セルビア発のバスの車体の下に忍び込み、車軸に5時間しがみついてクロアチア入りしたというイラクからの移民男性(21)が発見された。地元メディアが28日報じた。

 クロアチア日刊紙ユタルニ・リスト(Jutarnji List)はバス運行会社チャズマトランス(Cazmatrans)関係者らの話として、男性は26日、セルビアの首都ベオグラードからクロアチアの首都ザグレブ行きのバスの下に潜り込んでいたと伝えた。

 同紙によると、男性は車軸に腕と脚で5時間もの間しがみつき、命懸けで約400キロを移動したという。

 ある乗客は、「バスの下から大きな音が聞こえた…運転手の一人に声を掛け、その運転手も異音を耳にしたため、バスを停車させた」と証言。ザグレブの南東40キロに位置するイバニチグラド(Ivanic Grad)付近で止まるや否や、汚れて両手から出血し、見るからにショックを受けた表情の若者がはい出してきたという。

 クロアチア警察も声明を出し、バス運転手の通報を受けて出動したところ、道路脇の停車帯で男性が発見された事実を認めた。男性は手当てを受けたものの、重傷ではないとしている。

 同国内務省の声明によると、男性は現在移民向けの一時収容施設に入っているが、「クロアチアへの違法入国」により、セルビアへの送還手続きが取られているという。(c)AFP