【12月29日 AFP】先月辞任したジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)前大統領(93)に対し、政府出資の退職制度の一環として家具付きの公邸や、メルセデス・ベンツ(Mercedes Benz)Sクラスか同等の乗用車など3台のほか、プライベートな渡航の費用も支給されることが分かった。国営メディアが28日、報じた。

 政府系日刊紙ヘラルド(Herald)によると、ムガベ氏はさらに護衛6人を含む補佐少なくとも20人を雇うことが認められ、費用は国庫から支払われるという。

 エマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)新大統領によって27日に明らかにされたこの寛大な措置は、同国の退任した大統領らが対象となり、ムガベ氏はその最初の受益者となる。また具体的な金額は公表されていないが、ジンバブエの憲法は前大統領は現職の給与と同等の年金を受け取る権利があると定めている。

 現地の独立系メディアは先月、ムガベ氏は辞任を受け入れる取引条件の一つとして、退職金1000万ドル(約11億3000万円)が支給されることを認められたと報じたが、政府はこれを否定している。

 ムガベ氏は今後、首都ハラレ市内に家具付きの公邸を与えられ、光熱費や交際費は政府が負担するという。また、メルセデス・ベンツSクラスか同等の乗用車、オフロード仕様のステーションワゴン、ピックアップバンの計3台も支給され、5年おきに買い替えが認められるほか、ガソリン代も支給されるという。さらに、ムガベ氏とグレース(Grace Mugabe)夫人には今後、外交旅券が発給される予定。(c)AFP