【12月27日 AFP】マレーシアの裁判所は26日、薬物密輸の罪に問われていたものの、インターネットで知り合った男にだまされ、薬物を運ぶ役割を担わされたと主張していたオーストラリア人の女(54)に対し、無罪を言い渡した。マレーシアでは薬物密輸で有罪判決を受けた場合、死刑が科される可能性がある。

 マリア・エルビラ・ピント・エクスポスト(Maria Elvira Pinto Exposto)被告は2014年12月、クアラルンプールの空港でリュックサックから結晶メタンフェタミン1.1キロが見つかり、逮捕された。

 しかし同被告は薬物が隠されていたことは知らなかったと供述。インターネットで知り合った米軍人を自称する「ダニエル・スミス将軍」と呼ばれる男に会うために中国へ向かい、そこで見知らぬ人物から、豪メルボルン(Melbourne)に運ぶよう頼まれたバッグを預かったと主張していた。中国では男に会うことはできず、マレーシアの空港で飛行機を乗り換えようとしていたという。

 マレーシアでは50グラム以上の結晶メタンフェタミンを所持している者は全員密売人と見なされ、裁判では死刑判決の対象となる。

 だが、クアラルンプール郊外シャーアラム(Shah Alam)で行われた裁判で、判事はバッグに薬物が入っているとは知らなかったというエクスポスト被告の主張を認め、無罪を言い渡すとともに国外退去を命じた。(c)AFP