【12月11日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員としてイラクとシリアで活動していたアフリカ諸国の出身者、最大6000人が母国に戻って治安を脅かす恐れがあるとして、アフリカ連合(African Union)の高官が10日、各国に警戒を呼び掛けた。

 AU平和安全保障委員会のスメイル・チェルギ(Smail Chergui)委員長は、IS戦闘員の帰還に備えてアフリカ諸国が密接に連携し、情報を共有する必要があると訴えている。

 アルジェリアの国営アルジェリア通信(APS)によると、首都アルジェ(Algiers)で行われた会合に出席したチェルギ氏は、中東でISに加わった外国人戦闘員3万人のうち、約6000人がアフリカ出身者だとの情報があると指摘。「彼らのアフリカ帰還は、われわれの国の治安と安定に深刻な脅威をもたらす。具体的な対処とアフリカ諸国間の緊密な協力が必要だ」と述べた。

 2014年にISがイラクとシリアの広範囲を支配下に置き「カリフ制国家」の樹立を一方的に宣言して以降、ISに参加した外国人戦闘員は数万人規模に上る。だが、ISはこの1年で軍事的に劣勢に立たされ、支配領域の多くを失った。こうした中、外国人戦闘員が各地に散り、過激思想と暴力を広める恐れが高まっている。(c)AFP