【11月29日 AFP】ミャンマーを訪れているローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は29日、仏教の高僧らと会談し、「偏見や憎悪」を打破するよう求めた。同国がイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の問題をめぐって国際社会から厳しい視線が向けられている中、法王は慎重な言い回しで、強い影響力を持つ仏教の僧侶らに問題への対応を訴えた形だ。

 ミャンマーではここ数年、強硬派の仏教僧らが反イスラム教を掲げてヘイトスピーチを繰り返し、ロヒンギャに対する姿勢を硬化させるのを助長してきた。だが一方で、仏教界はここ最近、過激な仏教指導者らを抑える動きをみせている。

 フランシスコ法王は今回、慎重に言葉を選びながら、同国における仏教の最高機関のメンバーらに対し、不寛容と憎悪に立ち向かうのを手助けするよう要請した。

 最大都市ヤンゴンの寺院でフランシスコ法王は、一列に並んだ仏僧たちと向かい合う形で着席し、「もし目標通り、われわれが団結するつもりなのであれば、あらゆる形の誤解、不寛容、偏見、そして憎悪を乗り越える必要がある」と語り掛けた。

 法王は仏教徒が大半を占めるミャンマーを4日間の日程で訪れているが、ロヒンギャの問題に直接言及することは避け、寛容や許しなど、慎重な言葉を選んで口にしている。(c)AFP