【11月18日 AFP】ケニアの首都ナイロビで17日、米国訪問から帰国した野党指導者ライラ・オディンガ(Raila Odinga)氏を出迎えるため集まった支持者数千人を警察が解散させようと試み、男性3人が銃撃を受け死亡した。

 同市ムスルワ(Muthurwa)地区では、催涙ガスや高圧放水砲、ライフルで武装した警官隊と、投石で応戦するデモ隊が衝突。男性3人はいずれも上半身に銃撃を受け、同地区の路上で死亡していた。警察当局は実弾の使用を否定しており、窃盗を働いていた5人が怒った群衆により「投石」を受けて死亡したと説明している。

 ケニアでは8月に大統領選が行われ、現職のウフル・ケニヤッタ(Uhuru Kenyatta)大統領が勝利を収めたが、対立候補だったオディンガ氏の異議申し立てを受けた同国最高裁は、選挙管理委員会による不正を認め、投票のやり直しを命じた。

 しかしオディンガ氏は、先月実施された再投票についても、自由や公正さに欠けるとしてボイコット。最高裁は今月20日、ケニヤッタ大統領の再選を認めるか、再々投票の実施を命じるかの判断を下す予定だ。

 ケニアでは、今年の大統領選での混乱をめぐり国が分断され、野党支持派のデモ隊と警察との衝突が相次いでいる。人権団体によると、大統領選に絡んだ死者は50人近くに上るとみられ、大半は警察の発砲による犠牲者だとされる。

 オディンガ氏は10日間にわたる米国訪問で、シンクタンクの視察や、選管当局の監視下での再選挙に対する支持を取り付けるための活動を行った後、17日にケニアに帰国した。

 野党連合「国民スーパー連合(NASA)」は支持者らに対し、空港から都心の集会予定地へと向かうオディンガ氏を出迎えるよう呼び掛けていたが、警察は道路を封鎖し、同氏の車を取り囲んだ群衆を解散させるために催涙ガスや放水砲を使用したり、発砲したりした。(c)AFP/Tristan MCCONNELL