【10月11日 AFP】アフガニスタンで今月中に、携帯電話からオンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」への無料アクセスの提供が始まることになった。戦争で疲弊した大勢の国民が最新の情報を入手できるようになる。

 アフガニスタンでは、1996年から2001年の旧支配勢力タリバン(Taliban)政権時代にほぼゼロだったインターネットにアクセスできる人の数は、今では約800万人に増えている。ただしその大半は大都市の居住者だ。

 ほとんどの人が高額なデータ通信料がかかる携帯電話でインターネットを使っているため、ウィキペディアなどの大型ウェブサイトの利用はぜいたくなものになっており、頻繁に利用できるほど余裕のあるアフガニスタン人はほとんどいない。

 この状況を変えることを目指し、ウィキペディアを運営するウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)とアフガニスタンの携帯電話大手ローシャン(Roshan)は共同で、携帯電話からウィキペディアへの無料アクセス(最大1年間)の提供を月内に始める。

「ウィキペディア・ゼロ(Wikipedia Zero)」と銘打たれたこの事業は2012年に別の複数の開発途上国で立ち上げられた。ローシャンはこの事業をアフガニスタン発展の鍵と位置づけている。

 アフガニスタンでは単科大学、総合大学の多くで、いまだに1980年代の教科書が使われている。ローシャンの広報担当者シャフィ・シャリフィ(Shafi Sharifi)氏は「ウィキペディアに無料でアクセスできるようになれば、若者たち、特に大学生は専門分野や関心のある分野の最新情報を手に入れることができるようになる」と語った。(c)AFP