【10月6日 AFP】5日に行われた2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア予選プレーオフ、シリアとの第1戦を引き分けたオーストラリア代表と同国メディアが、試合終盤にシリアにPKを与える判定を下した主審を激しく非難した。

 サッカルーズ(Socceroos、オーストラリア代表の愛称)は10日の第2戦を控え、北中米カリブ海予選の4位チームと対戦する大陸間プレーオフ進出に向けて主導権を握っている。

 しかし、後半40分のオマル・アル・ソーマ(Omar al-Soma)の同点弾は、1997年のプレーオフでの苦い思い出をよみがえらせた。同プレーオフでオーストラリアは敵地でイランと1-1で引き分けたが、ホームでは2-2と引き分けてアウェーゴール差で敗退となった。

 オーストラリアのFWロビー・クルーズ(Robbie Kruse)は、イラン人のアリレザ・ファガニ(Alireza Faghani)主審がPKを与えたくてうずうずしていたと主張している。

 オーストラリアは前半にクルーズが先制点を決めて1-0とリードしていたが、空中戦で競り合ったマシュー・レッキー(Mathew Leckie)がペナルティーエリア内でソーマと接触した際に、命運を左右する瞬間が訪れた。

 クルーズは豪メディアに対し「PKでなかったことは誰の目にも明らかだった。あの審判ならあると思っていた。以前も彼が裁いた試合があった」とコメント。同選手は、第16回アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)決勝で負傷して転倒した際に、ファガニ主審からイエローカードを受けていた。

「接触があるやいなやPKを与えようと考えていたんだと思う」

 オーストラリアのアンジェ・ポステコグルー(Ange Postecoglou)監督がPK判定に「困惑した」と語る中、レッキーはその笛は「かなり下手」だったと口にした。

「ボディーコンタクトして、彼を押さえつけようとしたような状態じゃなかった。実際にヘディングの競り合いに勝った。PKを与えるような、どういった考えが審判に頭よぎったのか分からない。試合を見た全世界の人々がPKじゃなかったと考えているのだから、チームのみんなは今の状況にうんざりしている」

 豪紙ヘラルド・サン(Herald Sun)は、チームの勝利が「盗まれた」と報じる一方、豪フォックス・スポーツ(Fox Sports)のコラムニストは、シリアとの結びつきが強いイラン出身の審判を起用した見識に疑問を呈している。(c)AFP/Patrick LEE