【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9月30日、ハリケーンに直撃された米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)が「自分たちのためになんでもやってもらうことを望んでいる」と非難した。甚大な被害を受けたプエルトリコでは連邦政府による支援活動の遅れへの批判が高まっている。

 壊滅的なハリケーン・マリア(Maria)の直撃後、プエルトリコでは現在も島の大部分で電力や通信手段が使えず、飲料水もない状態に置かれている。30日も島内各地でいまだに連邦政府や自治領政府による支援活動がみられないという報道が続いている。

 プエルトリコの中心都市サンフアン(San Juan)のガソリンスタンドでは数時間待ちの長い車の列ができた。一部のガソリンスタンドでは民間警備員がパトロールしているという。島の内陸部では住民たちが、ハリケーン後に初めて見た島外から来た人は報道陣だと話した。住民のエリサ・ゴンサレス(Elisa Gonzalez)さん(49)は、「FEMA(米連邦緊急事態管理庁)や連邦政府、他の誰からも支援がない」と語った。

 しかしトランプ大統領は30日、ツイッター(Twitter)に数回投稿し、連邦政府の緊急チームや、数十隻の船舶と約1万人の兵士をプエルトリコに派遣した米軍は「素晴らしい」活動を行っていると主張し、プエルトリコがハリケーン被害に苦しんでいる責任を民主党やメディア、自治領政府に負わせようとした。

 プエルトリコの中心都市サンフアン(San Juan)のカルメン・ユリン・クルス(Carmen Yulin Cruz)市長は、「私たちはここで死にかけている。世界で最も偉大な国がなぜ小さな島のための物資輸送のやり方を考え出せないのか理解できない」と批判。その後トランプ大統領は米ニュージャージー(New Jersey)に所有する高級ゴルフリゾートから次のようにツイートした。