【9月29日 AFP】サッカーアジアカップ(2019 AFC Asian Cup)予選の北朝鮮対マレーシア戦が3度目の延期となることが28日に分かった。マレーシア政府は朝鮮半島の核による緊張の高まりを受け、国民の北朝鮮渡航を禁止している。

 来週に平壌(Pyongyang)で開催が予定されていた一戦は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏がマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の空港で殺害されたことをめぐり、これまでに2度延期されていた。

 マレーシア外務省は、「さらなる通知があるまで、すべてのマレーシア国民の北朝鮮への渡航は禁止となった。渡航禁止は情勢が正常化次第、見直す」と発表している。

 3度目の延期を決定したアジア・サッカー連盟(AFC)は、「この試合の今後の位置付けはしかるべき委員会に委ねられることとなる」と発表している。

 試合は当初、3月28日に予定されていたが、2月に金正男氏が殺害されたことにより両国の関係は悪化。互いに国民の渡航を禁止し、大使館員を帰国させるなどの措置を講じたが、徐々に緊張は和らぎつつあった。

 試合は一度は6月8日に平壌で開催されることに決まったが、その後見直され10月5日となっていた。

 マレーシア・サッカー協会(FAM)のトゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム(Tunku Ismail Sultan Ibrahim)会長は先週、北朝鮮の大使とマレーシアで会談し、選手および関係者の安全について話し合い、前向きな結論が出されるものとみられていた。

 北朝鮮で選手は毒を盛られる可能性があると警告していたトゥンク・イスマイル会長は、自身が希望するタイミングでいつでも直接入国することができると北朝鮮側から通達されたという。

 トゥンク・イスマイル会長は声明で、「世界中の指導者が(北朝鮮に入国する際に)事前に北京(Beijing)を経由しなければならないことを考えるととても名誉なことだ」と発表していた。(c)AFP