【8月1日 AFP】エクアドルの密猟者たちは昔から、同国の希少なカエルが高額で売れることを知っていた。しかし今日、環境保護に関心を持つ企業までもが、カエルをブラックマーケットや絶滅の危機から守るために、この希少種を売り始めている。

 首都キト(Quito)郊外のサンラファエル(San Rafael)にある科学系企業ウィキリ(Wikiri)は12種類のカエルを飼育している。エクアドル原産の種もいれば、他の生息地で絶滅の危機にさらされている種もいる。

 何百もの飼育容器で育てられたカエルは、1匹当たり最大600ドル(約6万7000円)でカナダや米国、日本、欧州諸国に輸出される。

 ウィキリの社屋の周りには川と大きな庭もあり、敷地面積は5000平方メートル。地域の生態系に影響を与えないよう、カエルは研究室で繁殖される。

 そして、密猟者らによる密輸や違法売買とは対極にある「倫理的な生物貿易」で流通する。

「密猟者が生息地に入り込んで、捕まえたいだけ捕まえて輸出する違法貿易とは全く異なるものだ」と、ウィキリのロラ・ガーデラス(Lola Guarderas)氏は言う。

 倫理的な生物貿易の狙いは、ブラックマーケットに打撃を与えること。両生類の研究と保護を行う施設の代表で生物学者のルイス・コロマ(Luis Coloma)氏は言う。「両生類の違法売買は世界中で盛んに行われている」(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA