【7月23日 AFP】ツール・ド・フランス(2017 Tour de France)は22日、第20ステージ(マルセイユからマルセイユ、22.5キロメートル)の個人タイムトライアルが行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が3年連続4回目の総合優勝を事実上決定づけた。

 ステージ3位に入ったフルームは、「信じられない。このマルセイユ(Marseille)の雰囲気、そしてこのスタジアムに来られて最高だ」と話し、今大会はステージ優勝が1回もなかったことについては、「それがツールだ。すべてを勝ち取ることはできない。みんなで3週間頑張る、それが僕らのやってきたことだ」と答えた。

 ステージはボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のマチェイ・ボドナール(Maciej Bodnar、ポーランド)が制した。ボドナールは第11ステージで、単独での逃げ切りまであと数百メートルというところで集団に飲み込まれ、最終的にはクイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)に優勝をさらわれていただけに、待望のステージ制覇となった。

 ボドナールは、「きょうは自分にとって特別な1日になった。一人で逃げたあのステージの後、思ったんだ。このままじゃ終われないってね。きょうはあのときよりも運があったし、すごくうれしい」と話した。

 今回のツールは近年まれにみる接戦で、この日のステージが始まる時点では総合上位3人の差が30秒に満たなかった。それだけにスタート前は、蒸し暑い南仏の港町で劇的な幕切れが待っているのではないかという期待感も漂っていた。

 ところが、フルームと23秒差の総合2位につけていたアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)がそうしたロマンチックな考えを抱いていたとすれば、その希望はゴールよりもはるか手前で霧散していた。

 フルームは10.2キロの1回目の中間計測地点を、チームメートのミハウ・クフィアトコフスキー(Michal Kwiatkowski、ポーランド)と2秒差の2位で通過。その時点で、バルデとの23秒差には44秒が、総合3位だったキャノンデール・ドラパック(Cannondale Drapac Pro Cycling Team)のリゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran、コロンビア)との29秒差にも23秒が加えられていた。

 結局、総合2位でステージを迎えていたバルデは、この日トップのボドナールから2分2秒遅れでフィニッシュ。表彰台圏内からも転落に加え、自分の2分後にスタートしたフルームに抜かれるという二重の屈辱を逃れるのが精いっぱいだった。

 ウランはこの日の発着地点となったスタッド・ヴェロドローム(Stade Velodrome)に入る際にフェンスにぶつかって数秒をふいにしながらもトップから31秒遅れでゴールし、バルデに代わって54秒差の総合2位に浮上した。

 バルデの後ろにはスカイのミケル・ランダ(Mikel Landa、スペイン)がわずか1秒差で迫っている。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN