【7月21日 AFP】シュルレアリスムの巨匠サルバドール・ダリ(Salvador Dali)の遺産を管理するガラ・サルバドール・ダリ財団(Gala-Salvador Dali Foundation)は21日、ダリの遺体が前日に掘り起こされたことを受けて、本人のトレードマークだった口ひげが「(時計の針の)10時10分」の位置のままだったことを明らかにした。

 ダリの一人娘だと主張している女性の申し立てを受け、スペインの裁判所は先月、DNA鑑定のため、埋葬されたダリの遺体の掘り起こしを命じていた。

 ダリの出生地でもあるスペイン北東部フィゲラス(Figueras)のダリ劇場美術館(Dali Theatre-Museum)に埋葬された遺体の掘り起こしは、棺を覆う1トン超の墓石を動かすなど、困難な作業となった。

 28年前に遺体の防腐処理を担当したナルシス・バルダレット(Narcis Bardalet)氏も、20日夜に行われた掘り起こし作業に立ち会った。

 バルダレット氏は21日朝、スペイン・カタルーニャ(Catalonia)のラジオ局RAC1に対して「絹のハンカチを取り去った時、とても感動的だった。ダリにとても会いたかったし、ものすごく圧倒された」と語るとともに、「奇跡のようだった、彼の口ひげはぴったりと10時10分の位置にあり、髪の毛もきれいなままだった」と明かした。

 ダリ財団のリュイス・ペニュエラス(Lluis Penuelas)事務局長によると、ダリのDNAサンプルは「皮膚、爪、2本の骨」から採取されたという。(c)AFP