【7月20日 AFP】五輪で計8個の金メダルを獲得した陸上界の王者、ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が19日、現役最後の大会となる第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)で男子100メートルと4×100メートルリレーに出場すると表明。連覇がかかる200メートルは回避すると明かし、自分に代わって陸上界のスーパースターになる可能性を示唆したウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk、南アフリカ)との対決は実現されない見通しとなった。

 現在30歳のボルトは、「それは自分のキャリアでも最も残念な出来事の一つだ。彼は現時点で最強の選手の一人だが、最近になって頭角を現してきたので直接対決の機会が持てなかった。自分は競技に生きてきたから(彼との対戦を)恐れてはいない。だけど、もうキャリアを終えるので時期を逸した。対戦していたら結果はどうなっていたかな」とコメントした。

 世界陸上で通算11個のタイトルを手にしているボルトは、来月4日から13日まで開催されるロンドン大会を制してその輝かしいキャリアに幕を閉じることを目指しており、21日に行われるダイヤモンドリーグ2017(IAAF Diamond League 2017)第11戦モナコ大会(Herculis EBS)を控えた記者会見では、「最大の目標は(ロンドンで)勝つことだ。有終の美を飾って引退したい」と語った。

 母国キングストン(Kingston)でのレースとオストラバ・ゴールデン・スパイク(2017 Ostrava Golden Spike)に出場しているボルトは、今季3戦目となるモナコ大会の100メートルで9秒台を記録することを目指している。

 ボルトは「良い感じだよ。シーズン当初はスロースタートだった。友人のジャーメイン・メイソン(Germaine Mason、英国)が亡くなるという挫折もあった」と話し、2008年北京五輪で男子走り高跳びの銀メダリストで今年4月にジャマイカで交通事故を起こした親友の不幸についても言及した。

「少し調整が遅れていたけれど、今は十分に練習を積んでいる。ドイツでは担当医にも会いに行ったし、ここ数日間はとても良い感触なんだ。順調にトレーニングできているのは良い兆候だ」(c)AFP/Astolfo CAGNACCI