【6月22日 AFP】太陽系以外の恒星系にある生命生存可能な惑星と、そこに存在しうる生命体の探索を目的とした宇宙望遠鏡の打ち上げについて、欧州宇宙機関(ESA)が20日、承認した。

 この「PLATO」探査計画に参加予定の英ウォリック大学(University of Warwick)は21日、「PLATOミッションは『地球に似た惑星はどのくらいありふれた存在なのか』や『太陽系は特異な、あるいは他に類を見ない存在なのか』などの根本的な問題に取り組む予定」と述べた。

 また、数億ユーロ(数百億円)規模のこの計画が「ゆくゆくは地球外生命の発見にもつながる可能性がある」ことにも触れた。

 ESAの委員会はスペイン・マドリード(Madrid)で開いた20日の会合で、PLATO探査計画にゴーサインを出した。これは「同計画を青写真から構築の段階へと移行できる」ことを意味すると、同大は説明している。

 3年前に候補計画が初めて公表された時点では、費用は約6億ユーロ(約750億円)と見積もられていた。

 望遠鏡26台を搭載する探査機PLATOは、米航空宇宙局(NASA)が運用しているケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡とともに系外惑星(太陽以外の恒星を公転する惑星)探索を行う。

 ケプラーは、これまでに3400個以上の系外惑星を発見・確認している。このうち30個は、その大きさが地球の2倍未満で、主星のいわゆる「ハビタブル・ゾーン(生命生存可能領域)」内の軌道を公転している。この領域内にある惑星は、水が蒸発するほど主星に近くなく、凍結するほど寒冷ではない。

 液体の水は現在知られている生命に不可欠の要件とされている。

 PLATOは「PLAnetary Transits and Oscillations of stars(惑星による恒星の食と振動)」の略語。2026年に打ち上げ予定で、地球から150万キロ離れた宇宙空間から広範囲の恒星数千個を観測する。

 望遠鏡は、恒星面通過(トランジット)と呼ばれる、惑星が公転する主星とそれを観測する望遠鏡の間を「通過」する際の主星の光の減光現象を探す。(c)AFP