【5月29日 AFP】イスラエル政府は28日、ユダヤ人が多く住む西エルサレム(West Jerusalem)からアラブ系住民の多い東エルサレム(East Jerusalem)の旧市街(Old City)までを結ぶロープウエーの建設案を閣議決定した。パレスチナ人の反発や国際社会からの批判を招くのは必至とみられる。

 東エルサレムはイスラエルが1967年の第3次中東戦争(Six-Day War)で占領し、後に併合したが、国際社会は承認していない。

 建設案によると、ロープウエーは全長1.4キロで、ユダヤ教の聖地「嘆きの壁(Western Wall、西の壁)」に近い糞門(ふんもん、Dung Gate)に駅が設けられる。2021年に運行を開始する予定だという。

 イスラエル観光省は声明で、旧市街の占領から50年を記念して「嘆きの壁」で特別に閣議が開かれ、ロープウエー建設案が承認されたと発表した。

 イスラエルはエルサレムを「不可分の首都」と位置付けるが、パレスチナ人は東エルサレムを将来の独立国家の首都とみており、エルサレムの地位はパレスチナ紛争において最もデリケートな問題の一つだ。

 国際社会の多くやパレスチナ人たちは、イスラエルが占領地である東エルサレムとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で進めるインフラ建設計画を強く非難している。国際法では東エルサレムとヨルダン川西岸におけるユダヤ人入植活動は違法で、中東和平実現の大きな障害となっている。(c)AFP