【5月29日 AFP】オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)で白化現象が進んでいる問題で、専門家らは29日、被害状況は当初考えられていたより深刻だと発表した。温室効果ガスの排出量を世界規模で削減しなければ、白化はさらに加速すると警告している。

 世界遺産(World Heritage)に登録されている全長2300キロのグレートバリアリーフでは、昨年3月~4月の水温上昇の影響で過去最悪の規模で白化が進んだ。上空と海中の両面から行われた初期調査では、浅瀬に生息するサンゴの22%が2016年の1年間に死滅したとみられていた。

 しかし、専門家チームは今回、死滅した浅瀬のサンゴは29%に上っていると発表。現在も、過去に前例のない2年連続での白化が進行しており、今後の見通しは厳しいとの見解を表明した。

 政府機関グレートバリアリーフ海洋公園管理局(GBRMPA)では、「まだ最終段階の報告ではない」として、年内にグレートバリアリーフ全体でさらなるサンゴの死滅が明らかになる可能性が高いとの見方を示している。

 最も被害が深刻なのは人気リゾート地ポートダグラス(Port Douglas)北方の沖合で、浅瀬に生息するサンゴの推計70%が死滅していた。(c)AFP