【5月17日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)を無許可で、しかも1人で登頂しようとして2万2000ドル(約246万円)の罰金が科されることになった南アフリカ出身の男が、その後の取り調べで当局の職員に悪態をついてネパール当局に逮捕されていたことが明らかとなった。

 ライアン・ショーン・デイビー(Ryan Sean Davy)容疑者(43)は先週、エベレストのベースキャンプ付近の洞穴に隠れているところを発見され、その後15日に首都カトマンズ(Kathmandu)の当局に出頭した。パスポートを没収されていた同容疑者は、受け取りのため首都カトマンズ(Kathmandu)へ引き返すよう指示されていた。

 観光警察の警官がAFPの取材に対して明かしたところによると、デイビー容疑者は観光局の職員による取り調べ中、悪態をつき、脅すような態度を取り始めたため、公共の秩序を乱した容疑で逮捕されたという。現在勾留されている同容疑者は来週、裁判所に出廷することになっており、エベレストに無許可で登頂しようとした罪、および取り調べ中における違法行為で起訴される可能性がある。

 観光局の幹部は「デイビー容疑者は罰金を科され、ネパールの観光法に従って国外追放になる」と明かし、「警察に対する不作法についてもさらなる処分が下される可能性がある」と語った。

 外国人登山者は標高8848メートルを誇るエベレストに登頂する許可を得るため、ネパール政府に対して1万1000ドル(約123万円)を支払わなければならず、貧困国のネパールでは大きな収入源の一つとなっている。

 またネパールの法律では、無許可でエベレストに登頂して拘束された登山者には、正規の入山許可を得るのに必要な額の2倍となる罰金が科される。(c)AFP