【5月9日 AFP】パキスタンとアフガニスタンが国境紛争の解決に向けて、米グーグル(Google)の地図サービス「グーグルマップ(Google Maps)」を使った調査を計画していることが分かった。両国の当局者が8日明らかにした。先週には国境地帯の村で衝突が起き、双方の民間人に死者が出ていた。

 パキスタンは1947年に英国から独立し、西隣のアフガニスタンとの2400キロにわたる国境線を受け継いだ。しかしアフガニスタンはこの国境線を正式には認めていない。

 5日にはパキスタンの国勢調査チームが兵士を伴って南部の国境地帯にある複数の村を訪ねたところ、銃撃戦が発生。双方合わせて民間人少なくとも8人が死亡した。

 パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)の治安関係筋は匿名を条件に「両国の地質当局が調査を実施し、グーグルマップも活用する」と述べた。

 アフガニスタン南部カンダハル(Kandahar)州の警察幹部も「交渉の末、両国が地質調査を行う必要性について合意した」と述べ、両国の技術チームが地球測位システム(GPS)やグーグルマップなども使って解決策を探る方針だと明らかにした。

 グーグルは一部の国では現地の法律に従い、その国が主張する国境線を表示している。例えばインド版のサイトでは、パキスタンと領有権を争っているカシミール(Kashmir)地方をインドの領土として表示している。

 一方、パキスタンのサイトでは国際的に認められた事実上の国境線である「実効支配線」を、領有権問題の存在を示す点線で表している。(c)AFP