【5月6日 AFP】ソマリアで4日に行われた夜襲作戦で米兵1人が戦死した。同国で米軍に戦死者が出たのは映画『ブラックホーク・ダウン(Black Hawk Down)』の題材となった1993年の「モガディシオの戦闘(Battle of Mogadishu)」以来とみられる。

 米アフリカ軍(AFRICOM)は声明で、「(ソマリアの首都)モガディシオ(Mogadishu)から西に約65キロに位置するバリイ(Barii)付近で国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派組織アルシャバーブ(Al Shabaab)掃討作戦を行っていた際に米兵1人が死亡した」と発表した。AFRICOMのロビン・マック(Robyn Mack)報道官はAFPに対し、同作戦中に他に米兵2人が負傷したことも明らかにした。

 AFRICOMによると、同作戦に参加した米部隊はソマリア軍に助言や支援を行う任務に就いていたという。

 現場近くの住民によると、夜襲に参加していたヘリコプター2機がミサイルを発射して着陸し、ヘリから兵士らが降りてくると激しい銃撃戦が始まったという。

 ソマリア軍高官のアブディリサク・ファラー(Abdirisak Farah)氏がAFPに語ったところによると、死傷者は双方に出ており、アルシャバーブの戦闘員6人も死亡したという。

 米国防総省の報道官を務めるジェフ・デービス(Jeff Davis)海軍大佐は、今回の夜襲はソマリア軍と米軍への攻撃に関与した者をかくまっているアルシャバーブの施設を狙った作戦だと説明した。

 AFRICOMのマック報道官によると、ソマリアで米軍に戦死者が出たのは1993年のモガディシオの戦闘で18人の米兵が死亡して以来だという。

 モガディシオの戦闘は、米軍がモガディシオで武装勢力のリーダーらを捕らえようとした際に大きな犠牲を出した作戦。米軍のヘリコプター、ブラックホーク2機が撃墜されたことによって激しい銃火の中で米兵の救出活動は混乱を極め、市民と米兵を含む数百人が死亡した。2002年には『ブラックホーク・ダウン』として映画化もされた。(c)AFP/Mustafa HAJI ABDINUR