【3月23日 AFP】アジア・サッカー連盟(AFC)は22日、国籍に関する偽造文書を提出して東ティモール代表に名を連ねていたブラジル出身選手の9人が、代表国から旅券を没収されたと公表した。

 マレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の東ティモール大使館を通じて連絡を受けたAFCは、旅券が「無効化」された9人について、今後は同国代表としていかなる大会にも出場できなくなるとしている。

 AFCはまた、さらなる調査で「ほかにも多くの選手」の旅券に関する取り調べが行われたと説明しているが、捜査を受けての対応については明らかにしなかった。

 AFCの規律委員会は今年1月、ブラジル出身の12選手が偽造文書を提出していたことを東ティモールサッカー連盟(FFTL)が隠ぺいしたとして、2023年のアジアカップ(AFC Asian Cup)から除外することを決定していた。

 東ティモール代表だったブラジル出身選手は、代表資格を得るために、両親もしくは片方が同国出身であると示す出生証明書、あるいは洗礼証明書の偽造に関与したとされている。問題の12人のうち9人は、2012年から2016年にかけてAFC主催の29試合に加え、国際サッカー連盟(FIFA)の7大会に参加していた。

 人口約120万人の小国として知られる東ティモールは、同国に帰化したブラジル出身選手の流入によってサッカーの弱小国から成長を遂げ、世界ランキングでは2011年の205位から2015年には同国史上最高の170位まで上昇し、現在は194位につけている。

 2015年10月には、ブラジル出身選手7人を擁した東ティモールに1-1で引き分けたとして、パレスチナがFIFAに不服を申し立てていたが、いかなる処分も受けなかった。

 問題が発覚して以降、東ティモールはブラジル出身の選手を起用せず、アラブ首長国連邦(UAE)に0-8、サウジアラビアに0-10、パレスチナに0-7で敗れるなど、立て続けに大敗を喫していた。

 しかし、2016年6月に行われたマレーシアとのアジアカップ予選で、東ティモールは再びブラジル出身選手の起用を開始。その数日後、AFCはFIFAと合同で特定の選手の出場資格に関する調査に着手していた。(c)AFP