【2月7日 AFP】ラグビー元南アフリカ代表の伝説的選手で、運動ニューロン疾患により長年闘病生活を送っていたユースト・ファン・デル・ヴェストハイゼン(Joost van der Westhuizen)氏が6日、死去した。45歳。ラグビー界で最も偉大な選手の一人の死に、世界中で悲しみが広がっている。

 現役時代はスクラムハーフを務め、スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)の主将として1995年のラグビーW杯(Rugby World Cup)で優勝を経験したヴェストハイゼン氏は、2011年に運動ニューロン疾患と診断された。同氏の体が衰えていくその姿を世界中のファンが見守り続け、心を痛めていた。

 ヴェストハイゼン氏の財団はフェイスブック(Facebook)で、「深い悲しみとともに、ユーストの死をお知らせします。彼は自宅で愛する人々に囲まれながら息を引き取りました。彼がいなくなり心から寂しいです」との声明を発表した。

 南アフリカのジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は、先日ヴェストハイゼン氏の容体が悪化したと伝えられた際に、「この国が輩出した最高のラグビー選手の一人だ」と述べていた。

 南アフリカラグビー協会(SARU)のマーク・アレキサンダー(Mark Alexander)会長は、「ユーストは同世代だけでなく、いつの時代においても、最も偉大なスプリングボクスの選手の一人として記憶されていくことだろう。彼は選手としてラグビーW杯をはじめ、トライネーションズ(Tri-Nations)やカリー・カップ(Currie Cup)を制覇し、ラグビー界において史上最高のスクラムハーフとしての地位を築いた」と語った。

「彼はまた、この恐ろしい病気を患っている大勢の患者にとって、刺激を与える英雄でもあった。われわれは彼の勇気、不屈の精神、そして大変な重荷を黙って受け入れる姿勢に驚かされた」

 ヴェストハイゼン氏は今月4日、呼吸に問題があると訴えて病院に緊急搬送され、「危篤状態」にあることが判明した。

 運動神経の一部が損傷する不治の病により、選手時代の面影が消え、痩せ細り車いす生活を余儀なくされていたヴェストハイゼン氏は、診断時に余命2年から5年と宣告されていた。(c)AFP/David LEGGE