【1月21日 AFP】昨年12月の大統領選の結果に異議を唱え大統領職にとどまる姿勢を示していた西アフリカ・ガンビアのヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)大統領は20日、国営テレビで演説し、退陣する意向を示した。

 これに先立つ同日、約20年にわたりガンビアを統治してきたジャメ氏は首都バンジュール(Banjul)でギニアのアルファ・コンデ(Alpha Conde)、モーリタニアのモハメド・ウルド・アブドルアジズ(Mohamed Ould Abdel Aziz)両大統領と数時間にわたって会談し、大統領選で勝利したアダマ・バロウ(Adama Barrow)氏に権力を渡すことに同意していた。

 脅しや法的措置を使って数週間にわたって大統領職にとどまろうとしてきたジャメ氏は西アフリカ各国の指導者から大きな圧力を掛けられていたが、退陣の決断は自分自身の意思で行ったと主張した。

 ジャメ氏は国営テレビでの演説で詳しい今後の計画に触れなかったことから、細部は決まっていないのではないかとの見方が出ている。

 バンジュールを訪れたモーリタニア代表団の関係者は、ジャメ氏が国外に出て暮らすことについて話し合いが続いていると述べた。ギニア高官筋は、ガンビア内政に介入できないようジャメ氏は遠く離れた国に行くべきだと指摘し、赤道ギニアやモロッコが候補に挙がっていると述べた。

 ジャメ氏はいったん大統領選での敗北を認めた後に態度を変えたことから、各国は同氏の今後の行動を注意深く見守っている。ジャメ氏が約束を破った場合に備えてアフリカ5か国がガンビア国境付近に軍を派遣しており、ギニアのコンデ大統領は21日もガンビアにとどまって交渉を続ける。(c)AFP/Jennifer O'MAHONY and Emil TOURAY