【1月15日 AFP】アフリカ西部ガンビアのヤヤ・ジャメ(Yahya Jammeh)大統領が、一度は敗北を認めた昨年12月1日投票の大統領選の結果に異議を唱えて大統領職にとどまる姿勢を示している問題で、アフリカ西部マリのイブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)大統領は14日、ジャメ氏に退陣するよう呼び掛けた。

 ケイタ大統領は、ジャメ氏の権力への執着がガンビアへの軍事介入が必要になる事態を招きかねないとして、無用な「流血の事態」を回避するよう促した。

 ガンビア大統領選は野党連合候補のアダマ・バロウ(Adama Barrow)氏が勝利した。バロウ氏はジャメ氏の任期が終わる今月19日に就任する予定だがジャメ氏は権力移譲を拒んでいる。

 バロウ氏はマリの首都バマコ(Bamako)で開かれた「仏・アフリカ・サミット」に突然姿を見せ、ガンビアの政治危機打開策を話し合っていた西アフリカ各国の指導者と対面した。同氏は13日にガンビアの首都バンジュール(Banjul)で、ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領、リベリアのエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)大統領、ガーナのジョン・ドラマニ・マハマ(John Dramani Mahama)大統領と協議し、その後予告なしにバマコを訪れた。

 サミットには少なくとも30か国の指導者が出席。当初はアフリカ大陸におけるイスラム過激派の活動や、欧州の移民危機にアフリカが与えている影響について意見を交換する予定だったものの、ガンビア情勢が最大の焦点になった。

 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の15か国はジャメ氏に対して、大統領選の結果を尊重し22年維持した政権の座を去るよう再三促している。国連(UN)とアフリカ連合(AU)はここ数日、速やかに危機を打開できない場合は地上軍派遣を承認する可能性を示唆しており、軍事介入の観測も浮上している。(c)AFP/Herve Asquin, Serge Daniel and Malick Ba