【1月9日 AFP】サッカー、アフリカネーションズカップ2017(2017 The Africa Cup of Nations)に出場する予定のジンバブエ代表チームが、手当や勝利給をめぐって協会と対立し、飛行機への搭乗を拒否していることがわかった。

 チームはもともと、7日の便でカメルーンへ飛び、そこで10日に親善試合を行った後、開催国ガボンの首都リーブルビル(Libreville)へ向かって14日からの大会に備える予定だった。

 しかし、ジンバブエサッカー協会(ZIFA)との緊迫した話し合いの後、複数の選手が8日の午前中にジンバブエの首都ハラレ(Harare)を後にし、残りの面々も同日中にチームを離れる予定だという。

 ZIFAの広報担当者は、AFPに対して「実りある話し合いを行い、選手と協会は友好的な解決策を見いだすことができました」と話しているが、現在の行き詰った状況をどう打開するかについては、具体的なことを明らかにしなかった。

 選手は6日、ホテルの廊下に座り込み、エマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)副大統領を賓客に迎えた激励の夕食会の出席を拒否。これに対して協会は7日、「チームの振る舞い、そして国家を脅して経済状況と不釣り合いな額を得ようとする試みを全面的に非難する」と声明を出していた。

 協会筋によれば、数ある不満の中でも、選手は1000ドル(約12万円)の出場手当に拒絶反応を示し、額を5000ドル(約58万円)に増やすことを要求しているという。また、国内組50ドル(約5800円)、海外組100ドル(約1万1700円)という日当も、それぞれ150ドル(約1万7000円)と500ドル(約5万8000円)への増額を求めている。

 そのほかにも、選手は協会が所有する宿泊施設は状態が「劣悪」だとして使用を拒否しており、また協会が利用料を支払えず、国立競技場を練習に使えなかったこともあった。

 ジンバブエでは、ハイパーインフレや汚職、農業の崩壊によって経済が破たんしており、代表チームの選手やコーチングスタッフに支払う手当は、有志の支援で賄われることも多かった。国内に現金が不足している影響で、国内サッカーの観客数も激減。昨年には、元監督への給料不払いで、2018年のロシアW杯(2018 World Cup)予選から除外された。(c)AFP