【12月18日 AFP】16クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)決勝を翌日に控え、欧州王者レアル・マドリード(Real Madrid、スペイン)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は17日、選手たちがホテルに約一週間缶詰状態になり、ストレスを抱えていると明かした。

 鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)との決勝を控える中、指揮官は選手たちがいら立ちを募らせていることに気付いたとし、「正直なところ、ホテルで1週間を過ごすのは非常に退屈だ」と報道陣に語った。

「選手たちはリラックスして、面白いことをしたがっているが、これもわれわれの仕事の一部だと理解している。プロフェッショナルらしく、合宿だと受け止めるべきだ」

 2-0で勝利した15日のクラブ・アメリカ(Club America、メキシコ)戦については、「立ち上がりが良くなかった。長旅でトレーニングもこなせなかったことも理由の一つだが、われわれはここへトロフィーを勝ち取るためにやってきた。明日(18日)に向けて準備は整っている」と付け加えた。

 アントラーズの印象を問われ、「かなり走る」と応じたジダン監督は、そのアントラーズに準決勝で0-3と完敗を喫した南米王者アトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional、コロンビア)のようなミスは犯さないと語った。

「鹿島はふさわしいチームだから決勝に残った。われわれがレアル・マドリードであるという理由だけで、試合が始まる前から勝ったようなつもりで気取ったりなどはしない。どの試合でも戦闘態勢を取り、毎試合自分たちの力を発揮している。明日もそうするつもりだ」

 1月にジダン監督がラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)前監督の後任に就いてから、レアルは11度目の欧州王者に輝き、現在は公式戦36戦無敗としている。

 ジダン監督は、「ポジティブシンキングの力というものを信じている。私は指導者を長くやってはいないが、素晴らしい選手たちに恵まれている。ここまでの道のりには満足している」とコメントした。

 決勝戦では、疲労のため準決勝を欠場した主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)が復帰する。

「セルヒオはわれわれのキャプテンだ。明日はフル出場できると見込んでいる」

 直近のリーグ戦でラモスは、2試合連続で終了間際に貴重な得点をたたき出しているが、アントラーズ戦では早々に決着をつけたいと考えている。

 トレーニングをすべてこなしたラモスは、「重要なのは勝つこと。もちろん得点はしたいけれど、また最後まで待ちたくはない。明日は決勝だから、自分たちを信じて、仕事を完遂する」と語った。

 一方でアントラーズの石井正忠(Masatada Ishii)監督は、「日本のサッカーがわずかでもギャップを縮めていることを見せるチャンスを得た。こんな大舞台でプレーできる選手がうらやましい」と語ったが、「自分が現役だったら能力が低かったので、ベンチから試合に出る選手を応援していたと思う」と付け加えた。

 石井監督は、クラブサッカー史最大の番狂わせを果たすだけの力がチームにあると考えている。

「勝てると信じてやる。確率は分からないが、私は選手たちを信頼している」 (c)AFP/Alastair HIMMER