【12月17日 AFP】財政難のキューバがチェコに対する債務をラム酒などで返済すると申し出ていたことが分かった。チェコ財務省が16日、明らかにした。

 チェコ財務省がAFPに送った声明によると、キューバ側は債務返済に充てる物品のリストを提示。これには数銘柄のラム酒も含まれていたという。

 チェコのメディアによるとキューバの債務は約70億コルナ(約320億円)とされる。しかし財務省によると、返済についての話し合いは昨年末に始まったばかりで総額は未確定だという。

 この負債の大部分は、1993年にチェコとスロバキアに分裂する以前のチェコスロバキア時代のキューバとの経済的結びつきの産物だ。

 チェコ日刊紙ドネス(Dnes)は、レンカ・ドゥパコバ(Lenka Dupakova)財務副大臣がラム酒での債務返済は「興味深い選択肢」だと述べたと報じた。

 同紙によると、1人当たりのビール消費量が世界で最も多い飲酒大国チェコは2015年、キューバから892トン、5300万コルナ(約2億4000万円)相当のラム酒を輸入した。

 この輸入実績を基に計算すると、債務全額がラム酒で返済されるとすれば、チェコは今後130年分のラム酒が手に入ることになる。

 しかし同紙によるとチェコ財務省はこの代物返済案に反対しており、少なくとも一部は現金で返済してもらわなければならないと考えているという。(c)AFP