【11月17日 AFP】ロシア・オリンピック委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)氏は16日、同国のドーピング問題は一掃されたと語り、全競技において世界的に復帰が許されるべきだと主張した。

 ジューコフ会長は各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会において、ロシアはスポーツ界の薬物使用に対抗するため、様々な厳しい規則を新たに設けたと明かした。国家ぐるみのドーピングの証拠が見つかったことで、同国はリオデジャネイロ五輪で陸上競技選手団が、リオデジャネイロ・パラリンピックでは全選手団が出場を禁止された。

 ロシア政府側は国家ぐるみのドーピングプログラムについて否定しているものの、ジューコフ会長はアスリートに不正を強要したコーチやドーピングに関与した各スポーツ団体の職員らに刑事責任を科す法律が制定されるとしている。ロシア国内の報道によれば、反ドーピング法は今月初めに下院で、16日には上院で可決されたが、まだウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の署名が必要となっている。

 しかしながらジューコフ会長は、すでに数十人の違反者が罰則を受けて、現在は完全に独立し、世界反ドーピング機関(WADA)に完全準拠したシステムから一掃されていると語っている。

 総会でジューコフ会長は、「われわれの歩みと活動は体系的で一貫性のあるものであり、今日では全面的に実行に移されている。全世界の反ドーピング連盟、委員会と協調、連携するために全力を尽くしている」と述べた。

 ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が規定に準拠していないことで同国のドーピング研究所は機能を停止しており、現在、検査はWADAで働いている国外検査員によって行われている。

 しかしながらジューコフ会長はWADAの検査手続きに懐疑的で、同機関が自ら十分な検査を行えていないため、RUSADAによる検査の再開が認められれば、システムはより効果的なものになると訴えた。

「ロシアのために人為的に作られた国外のドーピング規制には、非常に深刻な欠陥がある。これが、本格的で効果的なドーピングとの闘いの妨げとなっている。RUSADAができる限り早く復位することは非常に重要なことだ。WADAや国際オリンピック委員会(IOC)との緊密な協力関係の下でそれを行う準備はできている。われわれは透明性と信頼感を取り戻す必要がある」

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