【10月28日 AFP】スロベニアで開かれている国際捕鯨委員会(IWC)の総会は27日、日本の調査捕鯨に歯止めをかけること目指す決議を賛成多数で採択した。法的な拘束力はなく、日本は従わない意向を示している。

 決議は世界で日本だけが行っている調査捕鯨について計画の審査を「強化する」内容で、オーストラリアとニュージーランドの主導で提出された。採決では日本やノルウェーやアイスランドなど17か国が反対したのに対し、34か国が賛成、採択に必要な過半数を上回った。

 決議に基づき今後、IWCとその専門家委員会による調査捕鯨の審査の支援に当たる常設の作業部会が設置される。ただ決議に法的な拘束力はなく、IWCには罰則を科す権限もない。

 日本の森下丈二(Joji Morishita)政府代表は決議採択後、AFPの取材に応じ、日本が従うのはあくまでIWCの設立文書である国際捕鯨取締条約(International Convention for the Regulation of Whaling)だと強調した。

 日本の調査捕鯨をめぐっては国際司法裁判所(ICJ)が2014年、「科学調査の名を借りた」商業捕鯨だとして「第2期南極海鯨類捕獲調査(JARPA II)」を中止するよう指示した。

 日本は2014~2015年の調査捕鯨を中止したが、翌年には新たに「新南極海鯨類捕獲調査計画(NEWREP-A)」に基づいて調査捕鯨を再開し、南極海(Southern Ocean)で333頭のミンククジラを捕獲している。その多くは妊娠していたという。(c)AFP