【10月9日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が8日、マウリツィオ・アリバベーネ(Maurizio Arrivabene)代表との不仲説を一蹴した。

 レッドブル(Red Bull)時代に4年連続の年間チャンピオンに輝き、表彰台でブーイングされるほどの圧倒的な強さを誇ったベッテルは、2015年に名門フェラーリへ移籍。しかし最初のシーズンこそ3勝を挙げたものの、今季は苦戦が続いている。

 シーズン序盤は相次ぐ技術トラブルという不運もあったが、その後は契約を更新したチームメートのキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)の復調もあり、6月の第8戦ヨーロッパGP(European Grand Prix 2016)以降は表彰台入りもゼロ。獲得ポイント数でもライコネンを下回っている。

 アリバベーネ代表は先日、イタリアメディアに対して「セバスチャンには(2017年までの)契約がある。その後のことはいずれわかるだろう。われわれにはそれぞれ目標があり、そうである以上、誰であろうと居場所と報酬を得られるのが健全というものだ」と発言しており、これが2017年以降の契約は自分で勝ち取れという意味ではないかと取られていた。

 しかし、ベッテルはアリバベーネ代表の発言を知らなかったと話し、関係は良好だと強調した。

「僕らの間には何もないし、解決しなくてはならないことは何もない。それは自分でわかっている。何か気に入らないことがあれば直接言うし、同じように向こうもそうする。僕らはなんでも言い合える隠し事のない仲だし、基本的にはそれでうまくいっている」

「どちらも何か結果を出すことに集中している。レースに勝ち、特に将来に向けて、強くなっていきたいと思っている。それが一番の目標だ」

「チームがいい走りをしてくれと思っているのと同じくらい、僕もいい走りをしたいと思っている。今年はそれができなかった大会がいくつかあるし、だから今年の自分には納得してない。もっとやれたはずだから」

「今年は波が大きかった。別のレースでの速さを考えれば、フェアで順当とは言えない結果だった大会もあったと思う。だけどチームとしての一番の目標は前進を続けることだ」

 ベッテルは先週のマレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2016)でメルセデスAMG(Mercedes AMG)のニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)とクラッシュを起こし、ペナルティーをもらった。日本GPの予選では、メルセデス2台とライコネンに次ぐ4番手のタイムを記録したが、このペナルティーによる3グリッド降格で、決勝は7番手からのスタートとなる。

 それでもベッテルは、「人は罰を背負って生きなくてはならない。そういうものだ。過去を変えられるわけじゃないし、自分の行動がうまくいくのか、それとも高くつくかなんてそのときはわからない」と気にするそぶりは見せていない。

「この位置にはかなり満足している。レッドブルより前にいるし、ここ何レースかと比べればメルセデスとも近い。いい兆候だ」

(c)AFP/Alastair HIMMER