【10月8日 AFP】16F1第17戦の日本GP(Japan Grand Prix 2016)に出走するトロ・ロッソ(Toro Rosso)のダニール・クビアト(Daniil Kvyat)は7日、チームの無線で「ベビーオクトパス(タコの赤ちゃん)」に悩まされていると訴え、周囲を騒然とさせた。

 午前中のフリー走行で、クビアトが頭足動物に例える奇妙なクレームを出すと、トロ・ロッソのクルーは即座に意味を理解したものの、ファンやメディアは一様に混乱していた。

 クビアトが「オーノー、タコが戻ってきた。小さいやつだよ。ベビーオクトパスだ」と叫んだ正体は、マシンのアンテナに巻き付いた小さなタイヤかすで、高速スピードによって面積が広がる際に足が伸びているようにみえていた。

 2シーズン前に「触手」がヘルメットに張り付くこの現象に初めて気づいたというクビアトは、「2014年の中国GP(Chinese Grand Prix 2014)が最初だった。チームに加入した年だよ。レース中に大きなタコがいたんだ。今日は小さいやつだったけれど、いくつか破片が飛んできて、アンテナの周りに積み重なったんだ」と説明した。

 クビアトはさらに、「中国では僕のバイザーにくっつきそうになって、すごく悩まされた」とすると、「そいつと格闘していたんだ。だけど、今日のは小さい赤ちゃんで、生まれたてだった。無線では奇妙に聞こえちゃったよね」と笑いながらコメントした。

 2016年シーズンのクビアトは大きな試練が続いており、序盤にはフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)と2度も追突する事故を起こし、トロ・ロッソに降格となった。

 さらには、19歳のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)と交代させられるという屈辱を味わったクビアトだったが、この日は午後のセッションで激しいスピンを喫しながらも、パフォーマンスには満足な様子をみせていた。

「良い日だった。まずまずだね。ビットインの時間も刻めたし、良いロングランだったから、基本的な準備はできている。明日に向けてすべて万端にするために、細かい部分を調整していくことになる。だけど、天候がどうなるか分からないから、とても面白くなるかもしれない」

(c)AFP