【9月15日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)は14日、ギリシャ・アテネ(Athens)で臨時総会を開き、スロベニア出身のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)氏を新会長に選出した。

 48歳で法律家のチェフェリン氏は、2011年からスロベニアサッカー協会(NZS)の会長を務めているが、6月に会長選に立候補するまでは世界的には無名の存在だった。

 UEFAに加盟する55協会による投票で42票を得たチェフェリン氏は、13票に終わったオランダサッカー協会(KNVB)会長のミカエル・ファン・プラーク(Michael van Praag)氏に勝利した。

 200万スイスフラン(約2億1000万円)の不正授受により活動禁止処分を受けたミシェル・プラティニ(Michel Platini)前会長の後任を務めるチェフェリン氏は、「変革の風は欧州中で吹いている。一つの時代が終わり、新たな時代が始まる」とコメントしている。

 ドイツ、フランス、イタリア、ロシアの支持を得たチェフェリン氏は、拡大した協会間の貧富の差を縮小する必要があると訴えて小国からの支持も取りつけた。

 チェフェリン氏は、8月にUEFAが2018-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)からイングランド、スペイン、ドイツ、イタリアのリーグ上位4チームにグループステージの出場権を与えると発表したことにより、その座を失うことになる他の国から生じた反発を抑えることが最優先だとしている。

 八百長やドーピング、人種差別に至るまでサッカー界は多くの問題を抱えていると話すチェフェリン氏だが、「私はわれわれを取り巻くネガティブなことを強調するためにここにいるのではない。目が覚めるたびに新たなネガティブな事象を目撃するような、恐怖の世界で生きていたくない」と語っている。

 その臨時総会はプラティニ氏の退任のあいさつで始まったが、拍手で迎えられた前会長はその中で、金銭の受け取りに関して罪の意識はないと話している。

「私にはやましい心はない。私は何の不正も犯していない。裁判で戦い続ける」

 スイス当局は、2011年に国際サッカー連盟(FIFA)前会長のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏が、プラティニ氏に不正な金銭を支払ったとして両氏を捜査している。(c)AFP/Tim Witcher