【9月2日 AFP】ギリシャは2日、民間テレビ局の放送免許4件のオークションにより、2億4600万ユーロ(約290億円)を調達した。

 電波を対象としたオークションは27年ぶり。ギリシャ政府のオルガ・ゲロバシリ(Olga Gerovassili)報道官は「この地の歴史上初めて、放送用周波数帯域の利用に対して規則が適用された」と述べた。

 10年間の放送免許4件を獲得したのは、船舶事業者3社と建設会社1社。この建設会社は、アレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相率いる左派政権に近い企業とされている。

 ギリシャには現在、全国規模の放送局が8局存在する。そのため今回の電波オークションに対しては、放送免許数を削減する強引なやり口だと批判の声も上がっている。

 これに対しギリシャ政府は、6年に及ぶ財政危機の影響でメディアと広告のマーケットが狭まっていると述べ、存続可能なテレビ局だけに放送の継続を認めるべきだと主張した。

 また当局は、民間テレビ局の全面的な見直しによって、数十年にわたる無節操な免許発行を終わらせるとともに、労働者が搾取される一方でメディア業界の大物や銀行家、有力政治家らと裏取引をしているとうわさされる同国のテレビ業界を浄化したいと述べている。

 政府当局者によれば、ギリシャで民間放送局が初めて開局して以降、テレビ局は暫定免許を更新することで運営を継続してきた。1995年以降、暫定免許の更新は15回に及んだという。

 ニコス・パパス(Nikos Pappas)首相府相は3日間近くに及んだオークションについて、「ギリシャの納税者の利益になるよう、それぞれの価格を最大限引き上げるために複数の投資家を引き付ける」上での一里塚になるだろうと語った。(c)AFP