【8月2日 AFP】養子となったカンボジア人家族の下で幼い頃に行方不明になり、18年間ジャングルで暮らした後、2007年に発見された女性の実の父親として、ベトナム人の男性が名乗り出た。

 当時カンボジアで「ジャングル少女」と呼ばれ、大きな話題となったこの女性は2007年、全身が汚れ、全裸となった姿で農家の食物を盗もうとしていたところを発見された。後に、カンボジアのラタナキリ(Ratanakiri)州で1989年に水牛の見張りをしている間に行方不明になったロチョム・プニン(Rochom P'ngieng)さんであることを、プニンさんの里親家族が確認し、この家族の元へ戻った。プニンさんは、密林で乾燥した米粒を探し回っていたために、サルのように前かがみな姿勢になっていたという。

 今回、ロチョム・プニンさんの実父として名乗り出たのはぺオ(Peo)さんというベトナム人男性(70)で、ロチョム・プニンさんについて、2006年に行方不明となった精神に障害のある娘だと述べている。

 里親家族のロチョム・カンパイ(Rochom Khamphy)さんによれば、ぺオさんは最近、SNSのフェイスブック(Facebook)でロチョム・プニンさんの写真を見て「口や耳の特徴、左手首の傷などから」自分の娘だと思ったという。

 ぺオさんはすでに2回、カンボジアの里親家族を訪ね、ロチョム・カンパイさんのこれまでの養育費や生活費として1500ドル(約15万円)を支払うことで合意しているという。里親家族としては、ぺオさんが実父だという主張は信頼できるとして、ロチョム・カンパイさんをぺオさんの元に返す許可をカンボジア当局に求めている。(c)AFP