【7月31日 AFP】国連(UN)の仲介で行われているイエメンのイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装勢力「フーシ派(Huthis)」とアブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)暫定大統領派との和平交渉が、国連特使の要請を受けて1週間延長されることになった。和平交渉が行われているクウェートの外務省が30日、明らかにした。

 イエメン暫定政府の代表団が帰国の意思を示したため、交渉は30日に物別れに終わるところだったが、国営クウェート通信(KUNA)が報じた外務省の声明によると、交渉は8月7日まで延長された。

 国連のイスマイール・ウルド・シェイク・アフメド(Ismail Ould Cheikh Ahmed)イエメン担当特使は30日、イエメン暫定政府とフーシ派の代表団とそれぞれ会談し、包括的な解決に向けた枠組みを提案した。

 アフメド特使はさらに、「イエメンの危機を解決するための枠組み」も提示したことを明らかにしたが、その具体的な内容は明らかにしなかった。

 AFPの取材に応じた両代表団の関係筋によれば、提示された枠組みは、フーシ派が2014年に占拠した地域から撤退し、武器を引き渡し、政府機関からも撤収することなどから成るという。

 和解交渉に臨んでいたイエメン暫定政府の代表団は、フーシ派および同派と同盟関係にある勢力が国家を治める評議会を樹立すると発表したことを受け、クウェートから30日に帰国する考えを表明していた。

 フーシ派と、アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領率いる国民全体会議(GPC)は28日、10人から成る「最高政治評議会」を設立することを発表。声明によれば、同評議会は、「政治的、軍事的、経済的、行政的、社会的に、また安全保障の面でも国政を担う」という。

 今年4月以降、クウェートで国連を介して行われてきた両代表団の和平交渉は難航している。議論の大半は、どのような形態の暫定政権がイエメンの国家運営を担うのかという問題について行われた。

 暫定政権を支援するサウジアラビア主導の連合軍が昨年3月に軍事介入して以来、イエメンでは6400人以上が死亡している。

 国連の集計によれば、280万人が家を追われ、直ちに人道支援を必要としている割合は国民の80%以上に上っている。(c)AFP