【7月19日 AFP】カザフスタン最大の都市アルマトイ(Almaty)で18日、警察署などが何者かに襲撃された事件の死者は、内務省によると警官3人、民間人2人の計5人に上った。当局は5人を射殺した疑いなどでこれまでに男2人を逮捕した。ヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)大統領は、襲撃は「テロ攻撃」との認識を示している。

 内務省の発表によると、1人目の容疑者は車を乗っ取って警察署を襲撃した際に地元住人1人を殺害。その後、警官1人を射殺して銃を奪った。警察署での銃撃戦の最中に民間人1人が死亡。さらに追跡してきた警官のうち2人を射殺し、その後逮捕された。男は27歳で前科があり、先週末に女性1人を殺害した疑いもあるという。

 KNBの高官は逮捕した容疑者のうち一人について、窃盗などの容疑で収監中にイスラム教厳格派のサラフィー主義(Salafi)の信奉者と「つながり」を持った恐れがあると指摘した。

 カザフスタンの国家保安委員会(KNB)は、事件を受けてテロ警戒レベルを最高の「赤」に引き上げていたが、2人目の逮捕直後に「黄」に引き下げた。「対テロ作戦は終了した」と宣言している。

 事件では警察署1か所のほか治安機関の施設1カ所も襲撃に遭った。保健省によれば、負傷者8人が病院に搬送されている。

 カザフスタンでは今年6月5日、ロシアとの国境付近アクトベ(Aktobe)で銃で武装した集団が銃器店を襲撃して民間人4人を殺害。軍基地への襲撃も試み、兵士3人を殺害する事件もあった。この事件についてナザルバエフ大統領は、襲撃犯らは「宗教絡みの過激派組織の支持者」で「国外から指示を受けていた」との見方を示していた。

 この襲撃以来、警察による対テロ作戦で容疑者少なくとも18人が殺害されている。(c)AFP