【7月12日 AFP】エーゲ海（Aegean Sea）に浮かぶギリシャのフルニ（Fourni）島などの沖合で、多数の古代の船を含む沈没船が2015年以降に45隻発見されている。同国の文化省が11日、発表した。この海域は、地中海（Mediterranean Sea）で最大規模の遺物数を誇る水中遺跡の一つとなっている。

　沈没船45隻のうち23隻は2016年に、22隻は2015年に発見された。この中には、古代ローマ時代や、古代ギリシャのアルカイック期（紀元前800～480年ごろ）の沈没船も含まれている。

　文化省の声明によると、フルニ島などの島々の沖合ではこの2年間に、沈没船に加えて複数のいかりや数百個の陶器類も確認されている。約1000人が暮らすこれらの島々は「地中海で（沈没船遺跡が）最も豊富な場所の一つ」だという。

　声明は、いかりや陶器類は「天然港と数キロに及ぶ海岸線を有するこれらの島々の沖合で航海と貿易が行われていた証拠」で、そこは「商業海運上の十字路」だったとしている。

　2016年に発見された興味深い沈没船としては、黒海（Black Sea）からアンフォラ（2つの取っ手が付いた首が長いつぼ）を積んで来たローマ時代の船や、北アフリカのローマ帝国植民地から来た3～4世紀ごろの船などがある。

　水中遺跡調査が着手されたのはまだ沿岸の15パーセントにすぎない。調査は2018年まで続けられる予定であるため、この他にも新たな発見がなされる可能性がある。(c)AFP