【6月30日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)でピッチの荒れた芝が問題となっていることを受け、2022年サッカーW杯(2022 World Cup)の開催国カタールは、同じ轍(てつ)を踏むことを避けるために、ハイテクソリューション――3Dプリンターと風洞――を活用している。

 同国最大の高等教育機関、カタール大学(Qatar University)の科学者らは、2022年のW杯で使用される可能性のある8つのスタジアムのうちのいくつかの模型を3Dプリンターで製作した。

 模型は実物の300分の1の大きさで、組み立てに約1か月を要した。ピッチだけでなく、デザインや空気力学、採光、カタールの砂漠気候に対する耐性などのテストにも使われる。

 同大学工学部の北ドーハ(Doha)施設にある風洞に置かれ、要求されるあらゆる方向から空気を吹き付けられる。この空気の流れをレーザー光で追跡することで、起こりうるすべての問題を浮き彫りにする。試験の結果いかんによっては、スタジアムのデザイン変更もあり得るという。

 ピッチの荒れた芝問題はサッカー欧州選手権2016に付きまとってきた。

 ドイツ対スロバキア戦が行われたリール(Lille)のピッチは、イタリアとフランスの監督から痛烈な批判を受け、23日に芝が張り替えられた。ポーランドとポルトガルが準々決勝を行うマルセイユ(Marseille)のピッチも批判にさらされている。(c)AFP/David HARDING