【6月24日 AFP】国際陸上連盟(IAAF)は23日、薬物違反をしていないロシアの陸上選手に対する指針を決定し、国の代表としてではなく、個人資格でリオデジャネイロ五輪に参加できるとした。

 世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会が、ロシア陸上界で国家ぐるみの薬物違反がまん延していると発表したことにより、ロシアの陸上選手は昨年11月から資格停止処分を受けているが、リオ五輪の開幕を8月5日に控え、同国選手の出場可否をめぐり大きな溝ができ、女子棒高跳びのエレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva)は、処分を不服として提訴する可能性を示唆していた。

 IAAFの理事会は先週、検査結果を改ざんするなど薬物検査における違反が確認されたとして、ロシア陸上競技連盟(ARAF)の資格停処分を延長する決定を下したが、23日に新たな指針が示されたことで、潔白が証明された選手のリオ五輪出場の可能性は残された。

 IAAFは声明で、「国外に拠点があり、実効性のある反ドーピングシステムの下に置かれ、ロシアのシステムに手を染めていないと明確に示すことができれば、その選手はロシアの代表としてではなく、中立的な立場のアスリートとして国際大会への参加を申請することができる」としている。

 しかしながら、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は21日、ロシア五輪委員会(ROC)の資格は停止されていないため、IAAFの個別検査を通過したロシア人選手は、ROCの下で五輪に出場できるとの見解を示していた。