【6月10日 AFP】リベリアは9日、エボラ出血熱の感染患者が国内に存在しないと発表した。これは現在、西アフリカで確認されているエボラ患者が1人もいないことを意味する。この熱帯性ウイルスは2013年末以来、西アフリカで1万1300人あまりの死者を出した。

 エボラウイルスで4800人あまりの国民が死亡し、最も大きな被害を受けたリベリアは、最後の確定患者が5月に退院した後、終息宣言に向けた秒読み段階に入っていた。

 リベリア保健省のソルボル・ジョージ(Sorbor George)報道官は、AFPの取材に「リベリアは再び、エボラ患者がゼロになった。最後の患者に続く潜伏期間がちょうど終わったところだ」と語った。

 リベリアはこれで、最後に感染が確認された患者が2回目の検査で陰性反応を示して以降、世界保健機関(WHO)が定める42日間(エボラウイルスの潜伏期間の2倍に相当)の基準期間を経過したことになる。

 WHOリベリア支部の代表を務めるアレックス・ガサシラ(Alex Gasasira)氏は、声明で「WHOは、この最近のエボラ再発に対して、リベリアの政府と国民が効果的な対策を講じたことを高く評価している」と述べた。

「疑わしい症例に対する予防、検出、対応などのリベリアの取り組みに対して、WHOは支援を続ける意向だ」とガサシラ氏は続けた。

 リベリアは現在、新規患者に対する90日間の強化監視期間に入っている。

 WHOのエボラ終息宣言は、2013年12月に最初に流行が発生したギニアには6月1日に、シエラレオネには5月17日にそれぞれ発表されている。

 だがこれまで、西アフリカでのエボラ流行の終息が発表された後に、新規患者が発生する事態が起きており、リベリアでは、エボラウイルスがこれまでに3回再発している。(c)AFP/Zoom Dosso