【5月9日 AFP】セイコーゴールデングランプリ陸上(Seiko Golden Grand Prix 2016 Kawasaki)は8日、等々力競技場(Todoroki Stadium)で行われ、元五輪金メダリストのジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin、米国)が男子100メートルを制した。

 昨年行われた第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の100メートルと200メートルで王者ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)に敗れているガトリンは、向かい風の中で10秒02を記録し、今季初戦で優勝した。

 2位には10秒21で山縣亮太(Ryota Yamagata)が、3位には10秒26を記録したラモン・ギテンズ(Ramon Gittens、バルバドス)が入った。追い風参考記録9秒87を持つ桐生祥秀(Yoshihide Kiryu)は10秒27で4位、昨年の世界ユース選手権(9th IAAF World Youth Championships 2015)の200メートルでボルトの記録を破った17歳のサニブラウン・アブデル・ハキーム(Abdul Hakim Sani Brown)は10秒34で5位だった。

 34歳のガトリンはレース後、「昨年11月に足首をひねり、ほぼ骨折をしたような状況だった。まだ腫れはあるが、ここに来てレースでスムーズに走ることができた。そのことに満足している」と話している。

 ガトリンはまた、期待外れの結果に終わった北京大会について言及し、「それは間違いなくモチベーションを与えてくれている。またそれによってよりスマートで賢くなることができた」とコメント。北京でボルトに敗れ、2年間にわたる連勝が28で止まったガトリンは、「たいていは戦略を持ってレースに臨むものだが、ウサインのような選手と対峙する場合は、不測の事態に備えたプランBが必要になってくる」と語った。

 過去にドーピング検査で陽性反応が2度検出されているガトリンは、メディアでヒール役の扱いを受けることに不満を訴えていたが、「それは私を技術的にも精神的にもより賢明な競技者へと導いてくれた」と明かした。(c)AFP/Alastair HIMMER