【4月28日 AFP】ギリシャ1部リーグに所属するPAOK FCの選手らが、27日に行われたギリシャカップ(Greek Football Cup)のピッチへ、予告通り姿を見せなかった。別の試合で科された処分への抗議のためだが、クラブには同国サッカー連盟(HFF)からさらなる処分が科される可能性が高い。

 試合のボイコットは、クラブのロシア系オーナー、イヴァン・サヴィディス(Ivan Savvidis)氏が事前に予告していたもの。PAOKは3月2日の同杯準決勝第1戦で、ファンの暴動により罰金10万ユーロ(約1200万円)、来季リーグ戦の勝ち点3はく奪、3試合の無観客試合という処分を受けており、オーナーはこれに怒っていた。

 しかし今回の行動で、PAOKには追加の処分として、勝ち点もう3ポイントのはく奪と、重い罰金が科される可能性が高い。PAOKが出場を拒否したため、試合は対戦相手であるオリンピアコス(Olympiacos)の3-0の勝利となり、同クラブがAEKアテネ(AEK Athens)との決勝へ駒を進めた。

 決勝はアテネ・オリンピックスタジアム(Athens Olympic Stadium)で行われ、オリンピアコスは勝利すればリーグ戦との2冠を達成する。

 この準決勝は、第1戦もオリンピアコスに3-0の勝利が与えられていた。試合は終盤、PAOKのファンがピッチへ乱入し、大量の発煙筒と発煙弾がスタンドから投げ込まれたため、後半44分で中止になっていた。その時点で、試合は2-1でオリンピアコスが先行していた。

 この件を受けて、スタブロス・コントニス(Stavros Kontonis)スポーツ副大臣は、続く試合で暴動の危険性が高まっていることを理由に、カップ戦の続行を中止するという極端な手段を取っていた。

 ところが、これにHFF、国際サッカー連盟(FIFA)、欧州サッカー連盟(UEFA)が猛反発。結局コントニス氏は、FIFAの圧力に押し切られる形で中止の判断を撤回し、妥協策として、残り試合の無観客での開催を決めていた。(c)AFP