【1月27日 AFP】西アフリカ・シエラレオネ北部のバモイルマ(Bamoi Luma)で26日、当局がエボラ出血熱の死者に接触した恐れがある人々を追跡し、市場や商店に出した営業停止命令を実施させようとしたところ、怒った地元住民が警察と衝突し、若者3人が重傷を負った。

 目撃者の1人はAFPに次のように語った。「今朝、警察が営業停止命令を実施させようとしたところ、若者や女性たち数十人が通りに出てきて警察の捜索隊に棒や石を投げ始めた。私は7人の負傷者を見た。そのうち3人は重傷だった。催涙ガスの煙が大量に出て、人々は逃げ惑っていた」。怒った若者らは警察の詰め所に放火したとされている。

 AFPの電話取材に応じた複数の目撃者によると、重傷を負った若者3人のうち1人は頭部を、もう1人は脚を銃で撃たれたという。イタリアがシエラレオネの首都フリータウン(Freetown)で運営している病院の医師らは、バモイルマから3人の重傷者を受け入れたことを確認したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

 今月12日に死亡した22歳の女性からエボラウイルスの陽性反応が出たことから、この女性に接触した恐れがある地元住民30人が隔離されたことをきっかけとしてバモイルマで今月23日に騒乱が始まった。バモイルマでは西洋流のエボラ出血熱治療に対する疑念が非常に強く、死亡した女性と接触した恐れがある約50人が同地で身を隠している。

 AFPの取材に応じたある首長によると、警察は「逃亡した接触者と接触するリスクを最小限に抑えるため」として、23日からバモイルマにある店舗と市場の商業活動の停止を命じた。これらの措置はまだ続いているという。

 今月12日に22歳の女性が死亡した場所はバモイルマではなく約100キロ離れたマグブラカ(Magburaka)だったことから、住民らは警察の措置は恣意(しい)的だと反発している。当局は死亡した女性はバモイルマで病気になり、その後マグブラカに移動したと考えている。(c)AFP