【12月6日 AFP】アゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)は5日、カスピ海(Caspian Sea)の海底石油掘削施設で火災が発生し、作業員30人が行方不明になっていると発表した。

 SOCARは同社ウェブサイトで、事故発生時に作業に当たっていた62人全員の名前を公開し、これまでに32人が救助されたことを明らかにした。同国のイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領府は先に、4日に発生した火災で1人が死亡し、激しい嵐のために救助活動が難航しているとしていた。

 SOCARは声明で、4日の嵐によって、アゼリ・チラグ・グナシリ(Azeri-Chirag-Guneshli)海底油田の掘削装置プラットホーム上にあったガス導管が破損し、火災が発生したことを発表している。

 アリエフ大統領は声明で、「悪天候の中で32人が救出された。一部情報によるとこれまでに1人が死亡した。現在も救助活動が続いている」と述べた。同国検察当局によると、死亡した作業員は4日夜、他の作業員3人と救命ボートに乗船中、強風にあおられたことが原因で死亡したという。

 イスラム教徒が多数を占める人口約900万人のアゼルバイジャンは、ロシアとイランの間に位置する国。この国は、ロシアをバイパスしてトルコへと続くパイプライン計画において、カスピ海の資源を欧州に運搬するための重要な役割を果たしている。(c)AFP