【11月30日 AFP】アフリカ3か国を歴訪中のローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は29日、最後の訪問国である中央アフリカを訪れ、同国で続く宗教間衝突の当事者らに対し武器を置くよう求める平和のメッセージを発信した。

 ウガンダから到着した法王は、首都バンギ(Bangui)の大統領府までの短距離を専用車「パパモビル」で移動。子どもや若者など大勢の群集から熱狂的な歓迎を受けた。大統領府では、カトリーヌ・サンバパンザ(Catherine Samba-Panza)暫定大統領と会見。同暫定大統領は、同国を破壊した宗教間抗争という「悪」に対する許しを求めた。

 法王はその後、バンギ大聖堂(Bangui Cathedral)で執り行ったミサで、許しと和解に捧げられる「いつくしみの特別聖年」の始まりを象徴する「聖なる扉」を開いた。特別聖年は12月8日に正式に開始されるが、「聖なる扉」の開放は象徴的な始まりを意味する。「聖なる扉」の開放は従来、バチカンもしくはイタリア・ローマ(Rome)の教会本部でのみ行われてきた。

 ミサで法王はさらに、「現世の武器を不正に使う全ての者に訴える。こうした死の道具を捨てよ」と呼びかけた。

 同国の人口の3分の1を超える170万人のカトリック教徒が暮らす中央アフリカは2年以上前、長期にわたり政権を担ってきたキリスト教徒のフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領が、イスラム教徒を主体とする反政府勢力「セレカ(Seleka)」に追放されたことがきっかけとなり、1960年の独立以来最悪の危機に突入した。

 それ以来、旧フランス植民地の同国では、元セレカ構成員とキリスト教系民兵組織「反バラカ(anti-balaka)」との衝突が続いている。(c)AFP/Jean-Louis de la Vaissiere and Celia Lebur