【11月19日 AFP】中米ホンジュラスで、盗難に遭ったギリシャ国籍のパスポート(旅券)を使用して米国に渡ろうとしたシリア人5人が逮捕された。地元警察が発表した。パリ(Paris)ではシリアとつながりのあるイスラム過激派による連続襲撃事件が起きたこともあり、警戒感が広まっている。

 地元警察当局によると、5人は17日、首都テグシガルパ(Tegucigalpa)のトンコンティン国際空港(Toncontin International Airport)に到着した際、空港の保安検査を通過することができず、拘束された。

 5人はシリアからレバノンに空路で移動、さらにトルコ、ブラジル、アルゼンチン、コスタリカと飛び、ホンジュラスに到着していた。5人はさらにホンジュラス第2の都市サンペドロスーラ(San Pedro Sula)に向かう予定で、その目的は陸路でグアテマラを通りメキシコから米国に渡ることだったという。

 渡航理由は明らかになっていないが、警察ではシリア内戦を逃れてきた難民の可能性があるとしている。

 シリア内戦に関与する米国などの国々では、13日のパリ連続襲撃事件や先月31日のロシア旅客機爆破事件を受け、新たな事件発生を警戒している。パリの事件では、イラクとシリアを拠点とするイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出し、実行犯の一人がギリシャを経由する際に使用したシリア国籍のパスポートを所持していた。ただ、犯人とパスポートの人物が同一人物であるかは確認されていない。(c)AFP