【10月17日 AFP】ハンガリー政府は17日未明、正式な手続きを経ずに移民が流入しているクロアチア国境沿いの西部ザーカーニュ(Zakany)の越境地点を封鎖した。

 現地にいたAFP特派員によると、列車でクロアチア側に到着した最後の移民約1500人が、ザーカーニュにある非公式の越境地点を通過し、黙々とぬかるみを歩いてハンガリー側に入国すると、ハンガリー警察や軍の兵士らが17日午前1時(日本時間同日午前8時)前に有刺鉄線で封鎖した。疲労しきった様子で最後の移民の一群がゆっくり国境を越えると、兵士が「封鎖!」と叫んだ。高齢の女性を乗せた車いすや子どもの乳母車を押している人々もいた。

 ハンガリー政府のゾルタン・コバチ(Zoltan Kovacs)報道官はAFPの取材に「(経済移民に対し)『グリーンボーダー(緑の国境線)』は封鎖されたが、今も合法的に入国し、亡命を申請することは可能だ」と述べた。ベレメンド(Beremend)など2か所の検問所は、合法的な書類を所持している移民向けに引き続き開いている。

 これに先立ち16日、クロアチア政府はハンガリーの国境封鎖予告を受け、欧州北部を目指して押し寄せたクロアチア領内の移民たちを、スロベニアへ迂回(うかい)させる方針を発表した。今回封鎖されたクロアチア・ハンガリー間の地点は、9月中旬にハンガリーがセルビア国境を封鎖して以来、欧州に向かう移民にとって主要な越境地点となっていた。(c)AFP/Peter MURPHY